2026年の目標を「続けられる自分」になるために
- akiyama340
- 1月6日
- 読了時間: 4分
メンタルウェルネス便り 第8回

新年あけましておめでとうございます。
新しい年を迎えると、多くの方が「今年こそは運動を始めよう」「生活習慣を改善しよう」と目標を立てられることと思います。でも、気づけば2月には元の生活に戻ってしまった——そんな経験、ありませんか?
実はこれ、あなたの意志が弱いわけではありません。私たちの脳の仕組みが関係しているのです。
●三日坊主になってしまう理由
行動心理学の研究では、新しい習慣が身につくまでに平均66日かかるとされています。しかし人間の脳には「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」という働きがあり、変化を避けて元の状態に戻ろうとする性質があります。脳にとって「変化=危険」なので、新しい習慣に抵抗してしまうのは自然なことなのです。
つまり、習慣化できないのは意志の問題ではなく、この脳の仕組みを理解していないことが原因かもしれません。
●成功率が2〜3倍になる「if-thenプランニング」
そこで効果的なのが「if-thenプランニング」という手法です。「もし○○したら、△△する」と具体的な行動をあらかじめ決めておく方法で、研究によると習慣化の成功率が2〜3倍高まることが分かっています。
★ポイントは、すでに習慣になっている行動(トリガー)と、新しくやりたい行動をセットにすることです。
例えば:
「もし始業時にデスクに着いたら、その日の優先順位を3つメモする」
「もし会議が終わったら、席に戻る前に30秒背伸びをする」
「もし昼食後に席に戻ったら、デスクの上を1分間片付ける」
「もし夕方疲れを感じたら、目を閉じて深呼吸を3回する」
このように、日常の中で必ず起こる行動とセットにすることで、新しい習慣が自動的に組み込まれていくのです。
●「小さすぎる目標」から始めよう
もう一つ大切なのが、目標を「驚くほど小さく」設定することです。
「毎日30分運動する」ではなく「毎日1回スクワットをする」。「毎日野菜を食べる」ではなく「夕食にミニトマトを1個添える」。こんなふうに、ばかばかしく思えるほど小さな目標から始めてみてください。
行動科学の研究では、小さな成功体験を積み重ねることで脳内にドーパミンが分泌され、その行動自体が気持ちよく感じられるようになることが分かっています。小さな達成感が、次の行動へのモチベーションを生み出すのです。
また、達成できた日にカレンダーに○をつける「見える化」も効果的です。連続記録が途切れるのを避けようとする心理(損失回避バイアス)が働き、自然と継続を後押ししてくれます。
●体の健康習慣が、心を守る
ここまで習慣化のテクニックについてお話ししてきましたが、実はこうした小さな生活習慣の改善が、メンタルヘルスにも大きな影響を与えることをご存知でしょうか。
近年の研究で、心と体の関係は私たちが考える以上に密接であることが明らかになっています。
🔶運動と心の関係
週に3回、30分程度の軽い運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)は、軽度から中等度のうつ症状に対して抗うつ薬と同等の効果があることが、複数の研究で示されています。運動によって脳内のセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質が増加し、気分が安定するのです。
🔶睡眠と感情のコントロール
睡眠不足が続くと、感情をコントロールする脳の前頭前野の機能が低下します。その結果、些細なことでイライラしたり、普段なら気にならないことが気になったりします。逆に質の良い睡眠は、その日に経験したストレスを脳が処理し、心をリセットする大切な時間なのです。
🔶食事と心の安定
最近注目されているのが「腸脳相関」です。腸内環境が乱れると、脳に影響を与える神経伝達物質の生成が妨げられ、不安感や気分の落ち込みにつながることが分かっています。バランスの取れた食事は、単なる栄養補給ではなく、心の安定を支える土台でもあるのです。
まとめ:小さな一歩が、心と体を守る
つまり、「早寝早起き」「適度な運動」「バランスの良い食事」といった基本的な生活習慣は、体の健康のためだけではありません。ストレスに強くなり、感情を安定させる「予防的メンタルケア」そのものなのです。
新しい年、高い目標を掲げるのではなく、まずは「ばかばかしいほど小さな一歩」から始めてみませんか。完璧を目指す必要はありません。小さな習慣を一つずつ積み重ねていくことが、やがて「続けられる自分」へとつながっていきます。
2026年が、皆さまにとって心身ともに健やかで充実した一年となりますように。





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