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メンタルウェルネス便り

  • akiyama340
  • 8月17日
  • 読了時間: 3分

更新日:10月31日





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第4回目


『夏の音環境と心身の健康』


8月の猛暑日が続く中、皆さんは夏特有の「音の変化」にお気づきでしょうか。

エアコンのフル稼働音、蝉の鳴き声、夜遅くまで続く花火や夏祭りの音…。

実は、これらの季節特有の音環境が、私たちの心身に予想以上の影響を与えているのです。


《夏の音環境が身体に与える影響》

●エアコン音による慢性疲労

会社や自宅で長時間稼働するエアコンは、通常40-50dBの持続音を発生させます。この「一定音の持続暴露」は、聴覚の順応機能を低下させ、無意識レベルでの緊張状態を作り出します。医学的には「慢性音響ストレス」と呼ばれ、副交感神経の働きを抑制し、疲労感や集中力低下の原因となることが知られています。

 

●蝉の鳴き声と覚醒レベル

蝉の鳴き声は70-80dBと意外に大きく、特に2000-4000Hzの高周波帯域に集中しています。この周波数帯は人間の聴覚が最も敏感な領域で、交感神経を刺激し覚醒レベルを上げる作用があります。朝の蝉の声で目が覚めるのは、この生理学的反応によるものです。

 

《夏特有の睡眠音響障害》

8月は「音による睡眠障害」が最も多い時期です。

主な原因として夜間の環境音の増加があげられます。

具体的には

  ・24時間稼働のエアコン音

  ・窓を開けることによる外部騒音の流入

  ・ 夏祭りや花火大会などのイベント音

  ・深夜まで続く蝉の鳴き声            などです。

医学的に40dB以上の音が睡眠の質を低下させると言われています。特に入眠時と深睡眠時の音響刺激は、成長ホルモンの分泌を阻害します。


《音と体温調節の相互作用》

音は脳の体温調節中枢にも影響を与えます。高温環境下では、音に対する不快感が通常の1.5-2倍に増大することが実験で確認されています。これは「熱音響相互作用」と呼ばれる現象で、夏場にイライラしやすくなる理由の一つとされています。

 

【実践的な夏の音環境対策】 

1. エアコン音の軽減 : 定期的なフィルター清掃で運転音を2-3dB削減

2. ホワイトノイズの活用 : 自然音アプリ(雨音、波音)で不快な環境音をマスキング

3. 音響休憩の導入 :1時間に5分間、静寂環境での深呼吸タイムをつくる

4.耳栓の適切な使用 : 音が気になって眠れない時は柔らかい素材の耳栓を利用する

5.音楽療法の活用 : 60-80BPMのクラシック音楽でリラクゼーション効果

  ※BPM(Beats Per Minute)とは、音楽のテンポを示す単位で、1分間に刻まれる拍数

  (ビート数)を表します。心拍数と同じ(BPM=60~80)くらいのテンポで作られた曲が

   心地よく感じると言われています。


夏の音環境は、私たちが思っている以上に心身の健康に影響を与えています。

「音」を単なる環境要因ではなく、健康管理の重要な要素として捉え、適切な対策を講じることで、この暑い夏を快適に乗り切りましょう。






 
 
 

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