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新しいスタートを、長く続けるために

  • akiyama340
  • 4月3日
  • 読了時間: 4分

メンタルウェルネス便り 第10回



新年度が始まりました。新しい職場、新しい仲間、新しい役割――4月はエネルギーに満ちた季節です。そのやる気はとても大切です。だからこそ、新年度のスタートは「7割の力で走り始める」くらいがちょうどいいのです。


●新しい環境は、自覚なくエネルギーを消耗する


新年度の変化はポジティブなものであっても、心身には相応の負荷がかかります。新しい人間関係を築く、慣れない仕事を覚える、組織の雰囲気をつかむ――こうしたことは、意識しなくても膨大なエネルギーを消費しています。


心理学では、たとえ嬉しい出来事であっても「変化」そのものがストレス負荷になることが知られています。転職、昇進、引っ越し――喜ばしいはずの出来事が、なぜか体や心に疲れをもたらすのはそのためです。「充実している」「やる気がある」と感じながら、じわじわと消耗しているケースは珍しくありません。


この積み重ねが限界を超えたとき、ゴールデンウィーク明けに訪れるのが「5月病」です。無気力、強い倦怠感、朝起きられない、仕事に行くのがつらい――これらは意志や性格の問題ではなく、4月の消耗が遅れて表れたサインです。


「自分はメンタルが強いから大丈夫」と思っている方ほど、知らないうちに限界に近づいていることがあります。5月病は、4月の過ごし方でかなりの部分を予防できます。


●心の土台は、食事と睡眠でつくられる


メンタルヘルスというと「考え方」や「受け止め方」に目が向きがちですが、実は睡眠と食事が整っているかどうかが、心の安定に深く関わっています。どれだけ前向きな気持ちを持とうとしても、睡眠不足や栄養の偏りが続けば、気分や意欲は着実に低下していきます。


【睡眠について】


まず意識してほしいのは「起きる時間を一定にすること」です。新年度は歓迎会や付き合いで就寝時間が乱れがちですが、起床時間を揃えるだけで体内時計が安定し、日中のパフォーマンスが大きく変わります。


休日に長く眠る「寝だめ」は、体内時計をかえって乱し、月曜の倦怠感を強めることがあります。疲れを感じたときほど、規則正しい起床時間を守ることが回復の近道です。


【食事について】


特に大切にしてほしいのが朝食です。朝食は単なるエネルギー補給ではなく、脳内で気分や意欲に関わるセロトニンの分泌を促す役割も担っています。


セロトニンは朝の食事と日光をセットにすることで分泌が活発になるため、「朝ごはんを食べて、少し外の光を浴びて出発する」という習慣が、心身のコンディションを整える大きな一歩になります。忙しければバナナ一本、おにぎり一つでも構いません。まず食べる習慣をつくることが大切です。


●「助けを求めること」も、大切なスキル


新しい環境では「弱いところを見せたくない」「まず自分でなんとかしなければ」と感じるのは自然なことです。しかし、その思いがSOSを出すタイミングを遅らせ、結果として心身の回復に時間がかかってしまうことがあります。


「助けを求めること」は、弱さではなく、自分の状態を正確に把握し、適切に対処できる力――つまりセルフマネジメントのスキルです。職場の同僚や上司、家族、あるいは専門の相談窓口でも構いません。「ここに話せる場所がある」と知っているだけで、心の余裕は大きく変わります。


また、日頃から自分の状態を観察する習慣も助けになります。「今日の調子は10点満点で何点か」と、寝る前にざっくりと振り返るだけで、自分の変化に早めに気づくことができます。点数が低い日が続くようであれば、それは心身からの大切なサインです。


新年度の元気は、4月の自分への気遣いから始まります。高いモチベーションを長く保つ秘訣は、全力で走り続けることではなく、自分のペースを知り、意識的に調整することです。


どうか「7割の力」を意識しながら、自分自身のペースで歩み始めてください。頑張りすぎない自分を責める必要はありません。長く走り続けることが、何より大切な、自分自身への貢献です。



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